FF7小説「On the Way to a Smile」Episode1-2

(ろーそ様、トラックバックありがとうございました。
ゲームがやっと認知されてきたなと思う、U25なのでした)

結局、オメガは届いていませんでした。Amazonさん!
仕方が無いので、R25で我慢しようと思ったら(なかなか面白かったです)、
早くも「On the Way to a Smile」が更新されているではありませんか。
(情報元:FF7AC-reunion〔9月9日〕)
早速読んできました。

以下、稚拙ながら感想。ネタバレ注意。長いです。
前回より更に物悲しい。涙があふれてきた。
デンゼルが辛すぎる、かわいそすぎる。

やっぱり神羅の仕業だって気づいていたんだ。
誰かから聞いたのか? それとも気づいてしまったのか?
リーブは大人だ。神羅がやったことの責任を、一人で負おうとしている。
でも、ちゃんと「そんなことは無駄だ」って、10歳ながらに気づいているデンゼル。
普通の10歳はこんなに強くないし、もっとわがままな子供だ。
壮絶な過去が、デンゼルを早く大人にしてしまった。

全部ひらがなでメモを残していくアーカムも(たぶん)優しい人だ。
でも、当然そんなものじゃデンゼルの心が満たされるはずなどなくて。
憧れの五番街の家。家族三人で楽しく暮らすはずだった家。
大きなテレビは皆でわいわい見るためにあるはずなのに。
大きな部屋ほど、自分の孤独を際立たせてしまう。
そこからのデンゼルの心境の描写は、とても痛々しい。
たった8歳の、それも両親の愛情をいっぱい独り占めしてきた裕福層の息子に、突然訪れた悲劇。
現実が信じられなくて、否定しようとして。
でも「8歳」だから、現実もある程度わかってしまって。
8歳という年頃も、辛い原因の一つになってしまったかもしれない。
事実を「知る」ことはできても、「理解」はできない。そんな年頃。
だからこそ、彼は大人や小さすぎる子供の何倍も苦しんだことだろう。
しかも、悲しみを何とか癒そうとしても、誰も助けてくれない。
行ってしまったアーカム。誰も居ないご近所。自分のことしか見えていない民衆。
体にどんどん苦痛がしみこんでいく。
そして、迷子。体に当たった模型が、ついに彼の感情を爆発させた。
「みんなキライだ!」
普通ならただの子供の駄々、でもこの場合は違う。
自分ひとりが、この世界から隔離されたという感覚。
平和の中で暮らしてきた私などには到底理解できない感情が、
彼の体の中にうずまいていたことだろう。

そして、そんな彼に唯一手を差し伸べてくれたのがルヴィだった。
ただでさえ混乱した状況、普通ならもっとブチ切れてもおかしくない。
しかし、デンゼルに「老婆」と呼ばれるだけの年月を重ねた彼女は、ちゃんと彼を理解してくれた。
彼女もまた、帰ってこない息子と、デンゼルを重ね合わせたのだろう。
そしてデンゼルは、(無意識ながら)「母」として、ルヴィを見るようになっていく。
モンスター図鑑を見ている彼の感情は、かわいらしくも残酷だ。
8歳の子供にあんなことを考えさせてしまうなんて。
「役に立たない」……立てなくて当たり前なんだよ、君はまだ甘えてていいんだよ!
なんて惨たらしい世界なのだろう。

かわいらしいハンカチ。2年たった今も持ち歩いている、大事なハンカチ。
これは、ルヴィとの思い出の象徴、そして証。
彼女との大事な過去を、失くさないように。

一般人の立場に沿っているので、メテオの脅威がよりリアルに迫ってくる。
そして、そうなってもまだ家から離れないルヴィ。
ふと、自分の祖母が、「死は怖くない」と言っていたのを思い出した。
(注:祖母はまだ生きています。念のため)
ある程度年齢を重ねた、それこそ「戦争」だってなんだって体験してきた人は、
ちゃんと未来を見据えているのだろう。
だからこそ、目先に囚われて逃げ惑ったりせず、しっかりとした「死への準備」を行うのだろう。
帰ってこない息子。彼もまた、神羅関係者なのだろうか。
一方デンゼルも、ここに残る決意をする。
彼にはもう、他に行く所も、帰る家も無いのだから。

少し変わった、でも当たり前の日常。
ゆっくりと、ゆっくりと死の準備をしていく。
ルヴィにとっては、神羅の大砲(シスターレイだよね?)もまた、
「目先の抵抗」に感じられるのだろう。

そして、繰り返される悲劇。
ゲーム内では「善」だったライフストリームは、デンゼル達にとっては「悪」だった。
物事の見方は一つではないことを、私達に示している。
(私達「ファン」は、どうしてもゲーム内の視点に偏りがちだから)
デンゼルが割ってしまった窓。
「出会い」の象徴が、一瞬にして「別れ」の象徴になってしまう悲劇。
そして、再び自責の念にかられるデンゼル。
でも、ルヴィは彼の過ちすらも、恨むこともなく、優しく包み込む。
罪は「許される」ことよりも、「罪とすら感じられていない」ことの方が、犯した者にとって辛かろう。
デンゼルを守るルヴィ。あの姿はまぎれもなく、子を守る母親の姿だ。
でも、デンゼルにとっては、それが一番の刃だ。
二度も、役に立てなかった。二度も、守られてしまった。二度も、親を失ってしまった。
神様がいるのならば、何故こんなひどい仕打ちを彼に課すのだろう。
神様なんて、いないのだろうか。

AC発売に向けて気になった点。
星痕症候群は、ライフストリームにあたった人達が発症するような気がしてきた。

全体への感想。
以前にも増して、賛美歌が涙を誘う。
「七番街崩壊」が「9.11」に重なるという意見があるが、
それならば「ライフストリーム」は「原爆」なのかもしれない。
(そして、「星痕症候群」は「原爆症」。時を経ても、世代を経てもまだ、人々を痛めつけていく)
当たり前のことだけど、戦争は良くない、と思わされた。それぐらい、読み応えがあった。
とかく馬鹿にされがちなゲームだが、こういう方面での平和のアプローチもあっていいと思う。
いやむしろ、あるべきだ。
「戦争は駄目」といったただの言葉よりも、ずっと説得力があるのだから。

以上、長くなりましたが、感想でした。
読んでくださった方、お疲れ様でした、そして、ありがとうございました。

Comment

はじめましてこんにちわ!
『FF7AC』関連の記事を検索していてこちらの記事にたどりつきました、めいと申します。

とても読み応えのある記事に、読み入ってしまいました。
“「戦争はダメ」といったただの言葉よりも説得力がある”のくだりには非常に共感しました。

ご挨拶が遅れまして申し訳ありません、私のサイトへトラックバック&本文リンク貼らせていただきました。
不都合がありましたらご指摘していただけるとありがたいです。
めい様、こんな偏狭のブログにようこそいらっしゃいました。
記事、褒めてくださってありがとうございます。
しかもトラックバック&本文リンクまで……! 感無量です。
(ていうか、当時私用で急いで記事を書いていたこともあり、
記事の最初の方だけしか見ず、
ひとみ様の方にだけ返信してしまって申し訳ありません。
後で直しておきます)

FF7AC、いよいよ明日発売ですね。
あと数時間、耐え忍びましょう。

それでは拙いですが、これで。
ご訪問、まことにありがとうございました。
  • 2005/09/13 22:07
  • water*blue
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いいですよねぇ
俺も読んだ。      アレはいいと思う。         (^.^)b
  • 2008/07/28 16:09
  • URL
返信が遅れてごめんなさい!
虎様、いらっしゃいませ。
こんな古い記事を読み、さらにコメントまで書いて頂き、ありがとうございます。

懐かしいですね、「On the Way to a Smile」……。
これの出来が良かったばかりに、ACに過剰な期待をしたような記憶が。

それではご訪問、まことにありがとうございました。
  • 2008/08/28 22:41
  • water*blue
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小説FF7
【ひとみ】9月5日からACの公式ページで小説の公開が始まりましたね。著者はFF7&7ACのシナリオを担当された野島一成さん。題名は『On the Way to a Smile』物語は、ゲームF
  • 2005/09/11 17:08
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